<ネタバレ>『鑑定士と顔のない依頼人』を観た。
劇場で見逃して悔しい思いをしていたのでDVDレンタル開始とともに借りてきました。
素晴らしい映画だった!!
監督・脚本 ジュゼッペ・トルナトーレ
出演:
シルビア・ホークス
フィリップ・ジャクソン
これは賛否両論別れるのもわかるわー。
俺的には大好きな映画でしたけど。しょっぱなからネタバレしてしまうと、
ジェフリー・ラッシュ演じる「鑑定人」が友人と恋した女性とに生涯かけて集めた絵画をまるっともってかれてしまうっていう話。
巧みな脚本で伏線散りばめながら進んで行くんですけど「あれ、これダマされるんじゃない?」って仄かに匂わせておきながら(タイトルもそうだし)、でも、ジェフリー・ラッシュの好演もあって、これってやっぱり純愛の朗らかなストーリーだよねって話にすっかりのめり込んで観てるこっちも完璧に騙されたところで最後「あっ」って騙されてたことに気づく(思い出す)っていう。それもガツンと落とされる。うわーやられた。だって、生涯絵画の女性しか愛せなかった男が、友人の若い男に本気で相談しちゃったり、感情の激しい壁の中の女性に翻弄されながら解きほぐされて行く様子を見てたら和んじゃうじゃない。とにかくジェフリー・ラッシュが素晴らしく演技が良くってなんて可愛いおっさん(おじいさん)なんだって思ってたところに、はい行きますよー。すっからかん。ですからね。こうやって書くとどんでん返しだけが良かったようにも取られるかもしれないんですけど、それがなくてもいい映画だったと思います。ストレートに作ってもね。でも途中の流れから、このラストは必然だったとも思います。ラストの後味の悪さはもちろんありますね。完全に感情移入しちゃってたらから。そういう意味では凄く切なくて心が苦しくなる映画でもありました。ラストはそれでも信られない男のどうしようもない足掻きに観えますが、大きく人生を転換させられてある種の開放感もあったようにも感じられた。とは言え余りにも大きな代償を払ってますが。
こういう映画が大好きなんですよねー。役者と脚本でしっかり見せて美術がキレイ。
ちゃんと観客に任せるところも抑えてて。天才鑑定士がガッツリ騙されてしまうって最高じゃないですか。「愛も偽れる」切なくって愛しい映画です。
いい映画でした。面白かった。
◆映画『鑑定士と顔のない依頼人』公式サイト 2014年8月2日(土)ブルーレイ&DVD発売